「科学技術大国」中国の真実 | 新書野郎

「科学技術大国」中国の真実

「科学技術大国」中国の真実 (講談社現代新書)「科学技術大国」中国の真実 (講談社現代新書)
伊佐 進一

講談社 2010-10-16
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著者は科技庁出身の文科官僚。中国へは科技、知財担当として大使館に派遣された様だが、その中国当局との攻防戦の真実を明かす。なんて話ではなく、現役官僚の手前もありごく一般的な話だった。まずは自身のマラソン大会の経験から中国はとても科学技術大国には見えないが実際はどうなのという素朴な疑問から入り、でも宇宙へ有人飛行を達成し、中枢は理系が占め、米国での博士号取得は清華がトップ、スパコンも世界一達成となると、東大宇宙工学科卒で、ジョンズホプキンスで中国経済修士の政府官僚となると気になるところではるだろう。実際におそらく米国留学中だと思うが、かなり日本という国に対してあせりがあったらしく、中国勤務ではその真実を確かめてやろうという意気込みだったらしい。結局、技術力は日本がリードしているという常識に落ち着くのだが、それも時限的なものだろうし、著者のあせりが解消された訳でもない様だ。
★★