近代国家への模索1894-1925 | 新書野郎

近代国家への模索1894-1925

近代国家への模索 1894-1925〈シリーズ 中国近現代史 2〉 (岩波新書)近代国家への模索 1894-1925〈シリーズ 中国近現代史 2〉 (岩波新書)
川島 真

岩波書店 2010-12-18
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岩波新書のシリーズ中国近現代史。また発売が順番ではなかったが、今やこの領域のエースで超多忙の川島真に締め切り厳守を期待するのは酷というもの。この時代のことなら目を瞑っても書けるのだろうが、新書だからといって手を抜いていないし、相変わらず完璧な仕事っぷり。東京を闊歩した留学生たちの姿が浮かんで来る様でもある。ただ、魯迅が見たという幻燈に関しては、中国では史実となっているが、日本ではフィクション説も根強いので両論併記で行ってほしかった。支那呼称に関しては慣習的なものが公式化したのかと思ったが、今日から支那共和国と呼ぶことにするというお触れが出たのだという。大清帝国というのが日本側の呼称だというのは分かるけど支那共和国というのはあまり聞かないものだ。中国では今も大清帝国という言い方はしないそうだが、そりゃそうだろう。いずれ今の時代も共産朝とでも呼ばれる時代が来るのかもしれない。
★★★