ブラジルの流儀 | 新書野郎

ブラジルの流儀

ブラジルの流儀―なぜ「21世紀の主役」なのか (中公新書)ブラジルの流儀―なぜ「21世紀の主役」なのか (中公新書)
和田 昌親

中央公論新社 2011-02
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最近、何でもありの新潮新書が井上章一で出したけど、ブラジルもの新書って、サッカーがちらほらある以外は、ほとんど見当たらない。岩波なんか過去に出したことあったかな。中南米とか南米で一括りされてきたところはあるけど、これだけ日本との関係が深い大国を無視し続けるとしっぺ返しもあろう。次のW杯や五輪の時にまでとって置いているのかもしれんけど。それで新潮に先行された中公は元日経サンパウロ特派員で、本社役員も勤めた著者を起用。別に新潮新書に対抗した訳でも、違いを見せつけようとした訳でもないんだろうけど、中公新書には珍しいQ&A方式も、井上章一のよりお勧めという風には思えなかった。何でブラジル人は女のケツが好きなのかとか井上と同じような命題もあるのだが、USPに合格したければ、日系人を一人殺せとか、耳タコの俗諺を、さも自分が当事者から聞いた様なシチュエーションで書き連ねているのが気になる。なぜ日本人はブラジルを好きになるのかという愚問に関しては井上の本を読んだ方が分かりやすいかも。ブラジル人女性がスカートを履かないのはなぜかというのはジーンズが安いからというより、ジーンズで勤務できるからではないか。ロングスカートなどはむしろ、家政婦などの衣装として定着しているところもあって、アドリアーナ・カルカニョットとかフェルナンダ・タカイといったブラジルの女性ロッカーなどは反体制の象徴なのか、パンツ姿より好んでスカートを着用している例が目立つ。
★★