社会主義の誤解を解く | 新書野郎

社会主義の誤解を解く

社会主義の誤解を解く (光文社新書)社会主義の誤解を解く (光文社新書)
薬師院 仁志

光文社 2011-02-17
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この著者久しぶりの光文社新書。英語より仏語、資本主義より社会主義ということで、共産主義と同義にされてきた社会主義の歴史をいわゆる欧州型社会民主主義の方向へシフト。まあタイの王政をモデルとしたい北朝鮮は知らんが、中国もベトナムもキューバだって、ソ連崩壊後の現在はモデルとしたいのは北欧型社会民主主義。イデオロギーに束縛された時代は終焉し、階級ではなく多様な階層を代表する党というのが理想の形であろうが、その前提となる反対党の存在を認めない限り社会民主主義にシフトすることはない。東欧の旧共産党が社会民主党へシフトできたのもソ連のくびきがなくなったかたに他ならないが、内部に反革命のくびきを抱える国ではそうはいかんところ。こうしてみると日本社会党の奇形性というものは際立っていたのだが、民主党で埋没するよりも、共産とくっついて初志に戻った方がよかんたんじゃないかな。
★★